動物園や水族館に行く動機はかわいさや癒し、生態の謎解きなど様々。記事ではマヌエルキャットに焦点を当て、その生態や特徴を紹介。マヌエルキャットは寒冷地の岩場や砂漠に生息し、単独で行動しナキウサギや鳥類を捕食する。埼玉県こども動物園では18頭のマヌエルキャットが飼育されており、過去に繁殖にも成功している。繁殖は国際情勢に影響されるため、新たな腕の大きなネコ科動物を招くことが難しい状況。展示されているマヌエルキャットの様子や動物園の情報も紹介。
かわいいから、癒されるから、生態の謎を探りたいなど、動物園や水族館に行く動機は人それぞれ。出会える「生き物」を詳しく紹介。
[曼奴貓]
学名:Otocolobus manul
カテゴリー: 哺乳類、食肉目、ネコ科
体長:50~65cm、尾長20~25cm
特徴:寒冷地の岩場や砂漠に広く生息。彼らは単独で、そして細心の注意を払って行動します。主にナキウサギや鳥類を捕食します。
マヌエルキャットはシベリア南部から中央アジアにかけての砂漠地帯や岩場に生息しています。ネコ科動物の中で最も古い種であり、約600万年前から存在しています。髪の毛はとても長くて7センチくらいあります。 1平方センチメートルあたり最大9,000本の毛が含まれているため、実際のサイズよりも大きく見えます。現在、日本では18頭のマヌが飼育されており、そのうち3頭は埼玉県こども動物園に生息している。
動物園最高齢のトラ猫は5月に16歳になる。マヌエル猫の平均寿命は約10年と非常に高齢です。タビーは動物の檻の中で静かに過ごしていますが、彼女の子孫は全国の動物園に生息しており、タビーは日本のマヌー界の「ビッグ・マム」として親しまれています。
埼玉県こども動物園は過去に何度もマヌーの繁殖に成功している。
「飼育員さんが瓶から育ててくれたんですが、警戒心が強くて人間に懐きませんでした。成長して人間に対して警戒心を抱くようになったときは本当に安心しました」。
飼育員の細谷真子さんの言葉で、野生動物への対応や希少種の保護の難しさを改めて考えさせられました。
ロータス男の子、6歳
オリバ メス 6歳
繁殖は世界情勢に影響される
「マヌエル猫の飼育を続けていきたいのですが、現状では難しいようです。」
細谷氏は続けた。前述したように、日本にはトラ猫の血統を受け継いだマヌ猫が数多く存在します。近親交配のリスクを避けるため、国内の個体同士で繁殖することはできません。海外から新たに腕の大きなネコ科動物を招きたいと考えているが、現在の国際情勢により、腕の大きなネコ科動物を飼育している動物園と連絡が取れないという。
現在、マヌエル展ではタビーの孫であるロータスとオリバに会えます。マヌエル猫は単独で行動する動物で、2匹の猫は別々の空間で暮らしています。展示棟に直結しているのは、マヌネコの生息地を模した囲い「マヌロック」。廃材などを寄付してスタッフが手作りした人工の岩や倒木もある。訪問当日、オリバさんはマヌルロックと展示棟の間を何度も往復した。近くの展示場(カウコーナー)で牛を眺めたり、倒木の上を器用に歩いたり、砂浴びをしたり、自由に過ごす姿はとても新鮮でした。
埼玉県こども動物自然公園
埼玉県東松山市岩殿554
電話:0493・35・1234
開館時間:9:30~17:00(11月15日~1月31日は16:30まで。最終入場時間は1時間早めます)
月曜休園(祝日の場合は開館。大型連休など祝日以外は開園する場合あり)
入場料:700円
交通:東武東上線高坂駅から川越観光バスで約7分、こども動物園下車。
取材・文:平松温子 写真:安田均
※この記事は『サライ』2024年5月号より転載しています。